公務員の共済貯金は「ずるい」と言われる?メリット・デメリットを元FPが解説

高い金利が魅力の共済貯金は、公務員や特定の団体職員にのみ認められた福利厚生制度です。
一般の銀行預金よりも高い利率が設定されているため、利用できない方から「ずるい」と言われることもあります。
私自身も市役所職員として勤務していた際、共済貯金は身近な制度でした。だからこそ、そのメリットだけでなく、給与天引きの仕組みや退職時の取り扱いなど、見落としがちな注意点もよく理解しています。
この記事では、共済貯金が高金利を実現できる仕組みから、給与天引きのメリット、退職時の取り扱いを含めたデメリットや注意点まで、元公務員FPの視点から詳しく解説します。
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公務員の「共済貯金」とは?その仕組みを解説

共済貯金は公務員の方になじみ深い制度ですが、ここで詳しい制度の内容についてご紹介します。
共済組合が提供する貯金制度
共済貯金とは、公務員が加入する共済組合が提供する貯金制度です。
共済組合は、公務員とその扶養家族の生活の安定と福祉の向上を目的として設立された組織で、医療保険や年金、各種給付事業などを行っています。
その事業の一つとして、組合員の資産形成を支援するために設けられているのが共済貯金です。
任意で利用できる制度で、給与から天引きで積み立てる方法が一般的です。
一般の金融機関との違い
共済貯金と一般の金融機関の貯金との大きな違いは、運営主体・金利・預金保険制度の有無にあります。
一般の銀行預金は預金保険制度の対象となり、万が一銀行が破綻しても預金者一人あたり元本1,000万円とその利息が保護されます。一方、共済貯金は預金保険制度の対象外です。
ただし、共済組合は国の監督下で運営されており財政基盤が強固なため、これまでの歴史の中で破綻した事例はありません。
また、一般の銀行預金金利が低水準で推移する中、共済貯金は比較的高い金利が設定されている点が特徴です。
なぜ「ずるい」と言われる?共済貯金のメリット

共済貯金がずるいと言われる背景には、公務員ならではの安定した身分と、それに付随する魅力的なメリットがあるからです。
魅力的な高金利
共済貯金の最大のメリットは、その魅力的な金利です。2026年4月1日現在、共済貯金の金利は一般の銀行の普通預金金利を大きく上回る水準で設定されています。
例えば、神奈川県市町村共済組合の貯金事業では、令和8年4月1日現在で1.52%という高い金利が適用されています。
また、三重県市町村共済組合の貯金事業でも令和8年4月1日現在0.9%という金利が適用されています。
日銀の利上げに伴い、三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行の大手金融機関3行の普通預金金利が2026年2月から0.3%に引き上げられたところですが、共済貯金はそれを大きく上回る金利であることがわかります。
この高金利は組合員の福利厚生の一環として、共済組合が運営する他の事業からの収益などを原資として実現されています。
共済組合によってはホームページへのログインが必要です。公務員の方はぜひホームページにアクセスするか、担当部署に確認して最新の金利をチェックしてみましょう。
給与天引きで無理なく貯められる
共済貯金は、毎月の給与から自動的に天引きされる形で積み立てが可能です。これにより、貯蓄が苦手な方でも意識することなく、着実に資産を形成できます。
私が市役所に勤めていた頃も、新卒で入庁したばかりの職員が「まずは共済貯金から始めよう」と先輩から勧められ、給与天引きでコツコツ貯めている姿をよく見かけました。
無理なく続けられる仕組みは、長期的な資産形成において非常に重要です。
安心感のある制度設計
共済貯金は、共済組合の制度の1つで、公務員という安定した身分に裏打ちされた安心感があります。
特に共済貯金は、組合員の生活設計をサポートする目的で設計されています。例えば、急な出費が必要になった際には、貯金担保貸付制度を利用できる場合もあります。
これは、共済貯金を担保として低金利で借り入れができる制度で、いざという時のセーフティネットとしても機能します。
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共済貯金にも注意点がある!デメリットを理解する

共済貯金には多くのメリットがありますが、利用する上で知っておくべき注意点も存在します。
メリットばかりに目を向けるのではなく、デメリットもしっかりと理解した上で、ご自身の資産形成にどう組み込むかを検討することが大切です。
預け入れ上限額がある
共済貯金には、預け入れられる金額に上限が設けられています。
例えば先ほど例示した神奈川県市町村共済組合の貯金事業では、一人あたりの預け入れ限度額が3,000万円までと定められています。
この上限額があるため、共済貯金だけで全ての資産形成を完結させることは難しい場合があります。上限額に近い金額が貯まったら、他の金融商品や資産運用も視野に入れる必要があります。
預金保険制度の保護対象外である
共済貯金には預金保険制度(ペイオフ)の対象外である点もデメリットといえます。
万が一金融機関が破綻した場合でも、一般の銀行預金であれば預金者一人あたり元本1,000万円とその利息が保護されます。しかし、共済組合は金融機関ではないため、この制度の対象外となります。
なお、共済組合は国の監督下で運営されており、運用先は国債・地方債などの安全性の高い債券が中心です。そのため、実際の破綻リスクは著しく低いと考えています。
しかし、万が一の事態に備えるという観点では、共済貯金のみに資産を集中させるのではなく、ペイオフ対象の銀行預金とバランスよく分散させることが賢明です。
引き出しに時間がかかる
共済貯金のデメリットとして、引き出しに時間がかかる点が挙げられます。
一般の銀行預金であれば、ATMなどで必要な時にすぐに現金を引き出せますが、共済貯金の場合は手続きが必要です。
私が公務員として勤務していたときには、共済貯金を引き出す際は、給与・労務を担当する部署に申請書を提出し、毎月決められた日に自身の口座に振り込まれる形式でした。おそらく他の共済組合も同様のルールを取っていると思われます。
そのため、医療費や建物の修繕費などの突発的な出費には対応できない点に注意が必要です。
退職後は利用できなくなる
公務員を退職した場合、共済貯金は解約となり、積み立てた元金と利息が指定口座に払い戻されます。
退職後も引き続き共済貯金を継続できる制度は、原則としてありません。
そのため、退職後の生活資金や老後資金の計画を立てる際には、共済貯金がいつまで利用できるのか、退職後はどのように資産を運用していくのかを事前に考えておく必要があります。
なお、公務員の老後資金についてはこちらの記事「公務員の年金はいくらもらえる?平均額と老後資金の対策を解説」でも詳しく解説していますので、ぜひ合わせてお読みください。
共済貯金を賢く活用するためのポイント

共済貯金は公務員にとって魅力的な制度ですが、そのメリットとデメリットを理解した上で、ご自身のライフプランに合わせた賢い活用法を検討することが大切です。
他の金融商品とのバランスを考え、NISAやiDeCoといった制度との併用も視野に入れることで、より効果的な資産形成が期待できます。
自身のライフプランに合わせた利用を検討する
共済貯金を活用する際は、まずご自身のライフプランを具体的に描いてみましょう。
いつまでに、どのような目的で、どれくらいの資金が必要になるのかを明確にすることで、共済貯金をどのように位置づけるべきかが見えてきます。
例えば、数年後に住宅購入を考えているのであれば、頭金の一部を共済貯金で準備するのも良いでしょう。
また、教育資金や老後資金など、長期的な視点での目標設定も重要です。目標額に対して共済貯金でどこまでカバーできるのか、足りない分は他の方法でどう補うのかを検討してみてください。
他の金融商品とのバランスを考える
共済貯金は高金利で安心感がありますが、預け入れ上限額があり、流動性(=現金化できるスピード)にも制約があります。
そのため、共済貯金だけに頼るのではなく、他の金融商品と組み合わせてバランスの取れた資産ポートフォリオを構築することが重要です。
例えば、流動性の高い普通預金で緊急予備資金を確保しつつ、共済貯金で中期的な目標資金を貯める。さらに、長期的な資産形成のために、リスクを取りながらも高いリターンが期待できる投資信託などを検討する、といった具合です。
ご自身の許容できるリスクの範囲で、様々な金融商品を組み合わせることを検討してみてください。
NISAやiDeCoとの併用も視野に入れる
共済貯金は非常に優れた貯蓄制度ですが、税制優遇や高いリターンの可能性といった面ではNISA(少額投資非課税制度)やiDeCo(個人型確定拠出年金)といった制度に軍配が上がります。
これらの制度は、投資で得た利益が非課税になるという大きなメリットがあります。
共済貯金で安定的に貯蓄をしながら、NISAやiDeCoを活用して非課税で効率的に資産を増やすことを検討しましょう。
公務員のお金に関する相談は「公務員特化のFP」へ
公務員の皆さんが共済貯金を始めとする資産形成を考える際、様々な選択肢があり、どれが自分に合っているのか迷うこともあるでしょう。私自身も公務員時代に、自身の将来設計や資産形成について悩んだ経験があります。
そのような時には、ファイナンシャルプランナー(FP)への相談を検討しましょう。FPは、お客様の家計状況やライフプランを総合的に分析し、最適な資産形成のアドバイスを行います。
特に、私は元公務員FPとしての立場から、NISAやiDeCo、住宅ローン、保険の見直しだけでなく、共済組合制度にも精通しており、公務員特化のお金に関する幅広い相談に対応できます。
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まとめ
公務員の共済貯金は、その高金利や給与天引きによる積立のしやすさ、そして安心感のある制度設計から「ずるい」と言われることもありますが、公務員の福利厚生として非常に魅力的な制度です。
しかし、預け入れ上限額や引き出しに時間がかかる可能性があるといったデメリットも存在します。
共済貯金は公務員の資産形成において有効な選択肢の一つですが、共済組合だけだけに頼るのではなく、ご自身のライフプランに合わせてNISAやiDeCoといった税制優遇制度も活用し、バランスの取れた資産形成を目指すことが重要です。
もし、ご自身の状況に合わせた具体的な資産形成の方法についてお悩みでしたら、ぜひ一度、FPにご相談ください。
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